自分たちでお米をつくる、それをお酒にする。
稲作も日本酒も、ごく当たり前の日本の文化ですが、
ふだん自分がその生産過程に関わることは稀です。
そんなことをしなくても、お米は買えるし、日本酒も手に入りますから。
でも、泥だらけになりながら田植えをしたり、
蝉の声を聞きながら除草をしたり、稲穂の実りに感動したり、
そんなふうに仲間たちと共に楽しい時間を過ごしたあとで
出来上がったお酒を飲むときの気分は、きっと格別なはずです。
日常を忘れて、週末のマイ田舎で田んぼあそびをしよう!
自分たちで育てた酒米から「僕らの酒」を醸してもらおう!
そして、みんなで乾杯しよう!
そんな思いから、このプロジェクトはスタートしました。
メンバー募集や広報を含めた運営は、
NPO法人「西湘をあそぶ会」(神奈川県中郡大磯町)。
農業指導は、地元の農家さんが担当。
2009年4月から大井町に約2反の休耕田を借り、
ネット情報やクチコミで集まってくれたメンバーたちと一緒に、酒米を作りはじめました。
下の写真は、鍬を入れる前の休耕田です。

ここをみんなで田起こしして、畔を作ってプチ棚田にして、田植えして。
酒米「美山錦」を無農薬、無肥料で、やさしく丹念に育てました。


秋の収穫期になったら、刈り取った稲の束を運び、
山から切り出しておいた竹を組んだ“はざ”に架けて、天日干しにしました。
途中で台風に襲われ、と共に倒れてしまった稲をレスキューしたり(!)。

そして脱穀後、地元の老舗酒蔵「井上酒造」に美山錦を持ち込み、
“僕らのお米” だけでお酒を醸してもらいました
(お酒は酒税法の関係上、自分たちでつくることはできません)。
ちなみに井上酒造の敷地内にこんこんと湧いている天然水は、
川崎の超有名うどん店がわざわざ汲みにきているほどの名水です。

杜氏は「菊姫」「大江山」などで長年経験を積んできた能登杜氏の畑下政美さん。
井上酒造1年目だったので、はじめての気候、はじめての酒米、はじめての少量生産と、
ベテラン畑下さんにとっても、はじめて尽くしで苦労なされたことと思います。
しかし、「せっかく安全なお米を作ったのだから、できるだけ削りたくない」
というメンバーたちの思いが通じたのか、
吟醸酒が主流の時代に、畑下杜氏はあえて精米歩合90%のお酒に挑戦し、
90%とは思えない香りを漂わせた素晴らしい純米酒に仕上げてくれました。
「僕らの酒」はこうして、
みんなで育てた「無農薬、無肥料、天日干し」の美山錦と、
老舗酒造の天然水、そしてベテラン杜氏さんから生まれたのです。

農作業は、4月の田起こしからはじまり、
田植え、収穫、脱穀など、11月までの間に約20日前後行われます。
お酒の仕込みは2月、出来上がるのは3月。
「僕らの酒」シーズン1の最後には、みんなで乾杯して、
田んぼの楽しかった思い出を語り合いました。
たくさんの新メンバーが加入した(初年度の倍に近い220名!)
翌年のシーズン2も無事に終了。
そして2011年4月、
「僕らの酒」プロジェクトは、舞台を大磯の谷戸田に移して、
シーズン3をスタートさせました。
今年からいっしょに組ませていただく酒蔵は、『相模灘』で知られる久保田酒造。
カヤだらけの耕作放棄地を開墾して、“田んぼづくり”からはじめた日々については、
ぜひこのサイトの記事をご覧ください。
お酒が好きな方、田んぼをやってみたい方、週末を田舎でのんびり過ごしたい方。
いっしょに「僕らの酒」をつくってみませんか?